top>Archa的実測作成
何かとデジタル化のされている現在、実測図もデジタルで、という流れがあるのは当然です。
しかし、デジタル化によって解像度を「だまされた」報告書などがあるのが事実ですし、また
昔のコロタイプ印刷の画質はもう失われるなど、「報告書の簡易化」が行われているのが現状でしょう。
つまり、報告書作成に関する時代の流れは、より非精緻・安価になってきているわけです。
ただ、現在たとえば全国で普通にコロタイプ印刷をできるはずがなく、現状でいかにその質を
保っていくか、というのが今必要な考えと言えるでしょう。
このように書くとデジタル化がすべてダメといっているようですが(笑)、そうではなく、
代わりに便利になったところもたくさんあるわけです。判りやすく言うと、アナログ・デジタルの
折り合いをどうつけるか、というところが大切です。
ということで、ここでは私なりの実測図デジタル化について述べたいと思います。
まず、私は手実測を信頼しています。輪郭はともかくとして、考古学の土器観察の基本は
技法の観察であり、その観察手段として手実測は最も効果的であるからです。
当然その中で生み出された実測図も、より精緻な「意図」を組み込めるようになります。
ただ、デジタル写真もその観察に併用することも面白いかもしれません。
個人的な経験では、現場で写真を撮ってパソコンで等倍で見たとき、新たな発見が
あったりしましたから(これはこれで恥ずかしい話ですが)。
現状では、手実測が最も考古学研究に寄与すると考えていますが、「輪郭はともかく
として」と書いたように、磁器については手実測図にする必要があるのかどうか、
悩むところです。
釉のために、表面観察での技法確認が難しい&今の実測図に反映されていない現状では、
総デジタル化もいいかもしれません。
ここまで書いたところで問題となるのは、たとえば「ハケ目」などを臨場感あふれる
筆致で書く必要があるのかどうか、という点でしょう。
実測図を模式図とする方からは必要ない、という意見も聞かれます。
この問題は、大きく2つの現状が作用します。
一つは、実測図の調整を描く範囲が横からの立面図であるためにとてつもなく狭く、
また初めから「ゆがみ」も入れた図面を書くようになっているということ、もう一つは
現在の実測図作成における組織体制です。
前者についてはお分かりかと思いますが、土器の外側になるにつれゆがんでくる
調整を細かく描く理由は、まさに「それらしく描く」ためしかありません。
資料としてならば、すべて展開図のようなものを作成しなければなりません。
実測図の土器の直径をコンパスで描き、ゆがんで描かれた調整を正位置に復元する
作業なんて、誰もしない&ナンセンスでしょう。
もう一つは、究極的には前者の復元ができるくらいに、精緻に実測図を書く体制が、
全国であるのかどうか、という点です。
個人的な期待としては、全国でそのように行われていると思いたいですが、おそらく
難しいでしょう。
その意味で、「どこまでも信頼できる図面」と「ある程度信頼できる図面」「まったく
信頼できない図面(?)」がある可能性が高いと言えます。
このような現状では、実測図のハケ目を計測して資料化することはもはや困難であり、
またどれが信頼できてどれが信頼できないものかが10年後にはわからないものになる
以上(報告書に信頼できる/信頼できないを書いてくれればいいですが(爆)、あまり
意味はないのかもしれません。
意味があるとすれば、同じ報告書内で異なるタッチのハケ目があれば、異なる調整
方法を意図しているという報告者の意図が伝わることでしょう。
このように書くと、私が模式図としての実測図を推奨しているように思われるかも
しれませんが、私は古い世代ですので(笑)、それでもイメージを与えてくれる実測図
が必要と考えます。
なのでここまで書いてアレですが(爆)、調整は手実測が(現状では)一番。
さて手実測した後ですが、その後の図面調整、いわゆるトレースがあります。
これも手実測と同じ考えでいくと、手トレースになるかもしれませんが、輪郭は
デジタルでもよいでしょう。
問題は調整です。デジタルでは線の端部の形状が丸くなるか、四角くなるか、
2者しかありません。なぜ「尖る」というのがないのでしょうか(笑)。
また、線の太さが1ポイント以下は印刷されないことがあります、と印刷業者さんに言われます。
これがスキャニングのときの問題なのか、印刷時の版作成における問題なのか
わかりませんが(たぶん後者)、前者であればこちらで作成しておけば大丈夫なんですが、、、。
こわくてやったことありません(汗)。
このように書くと、だいぶアナログなものばっかりになっちゃいますが、現在私は
総デジタルでやっています(爆)。
今は近世陶磁器の実測なので、ハケ目などの細かい調整がありません。
文様については異論もあるかもしれませんが、写真貼り付けを行います。
近世陶磁器の写真貼り付け、今いろいろと考えているのですが、実測図縮尺1/4では
まったく使えません。
1/2か1/3で考えており(関西にはあまり1/3がないので1/2?だけどちょっと大きすぎ、、、)、
予算が万一うまくいけば高解像度で。陶器は総デジタルトレースにします。
いろいろと考えてはいるのですが、異論があるかもしれません。まぁご参考程度にでも。