top>第9回播磨考古学研究集会 2008年2月2日に行った第9回シンポジウムは150名以上の参加者を得、盛況のうちに終わることができました。ここで若干の報告を行います。 ◆第9回播磨考古学研究集会「弥生墓からみた播磨」開催趣旨播磨地域では早くから円形周溝墓が認識され、弥生後期に畿内地域で増加する円形周溝墓をいち早く発達させた地域と目されています。近年、播磨では多様な弥生墓資料が蓄積されており、ようやく集成的研究も始められています。 そこで、本研究集会では播磨における弥生時代全体の埋葬事例をすべて集成し、地域性や変遷等を明らかにするとともに、瀬戸内地域における播磨の弥生墓を議論します。
播磨地域は、前方後円墳との深い関係が議論されながら、その詳細が明らかではありませんでした。こうした中、岸本一宏氏によってようやく周溝墓の集成が行われ、播磨の特徴とも言える円形周溝墓、そして方形周溝墓の様相が判明してきたところです。 まず、岸本一宏氏によって、周溝墓を中心とした播磨地域、近畿地域の様相について発表がありました。既報告資料以外の資料をも用いた報告で、現在の最先端の情報に基づく、播磨地域の周溝墓の様相が明らかになりました。また、土器棺墓を中心主体とする墳丘墓(台状墓)の存在から、弥生後期〜庄内式期における世襲制の存在を示唆するなどしました。 続いて、荒木幸治氏によって、今回の集成の統計処理で得られた分析結果についての報告がありました。主に小口穴をもつ木棺墓や乳幼児を葬ったと思われる土器棺墓についての分析が行われ、区画墓と非区画墓との間に見られる階層性とその変遷などが明らかになりました。また方形周溝墓が東播磨から西播磨に徐々に普及していくことをビジュアル化した一方、西から普及するとされる円形周溝墓も東播磨を起源として普及したことを示しました。 昼食を挟んで行われた大久保徹也氏による基調講演では、東瀬戸内を見渡しつつ群集墓、単独墓の分類をまず行ったうえで、水平的連接、垂直連接を分類し、次に周溝墓、非周溝墓の差異を論ずるなど、従来とは異なる「意味」論的な視点による分類方法を提示されました。また個別埋葬単位の区画から複数埋葬単位の区画、絞り込まれた埋葬個人単位の区画という変遷を理念的に捉え、その具体例を東瀬戸内全体地域に求めつつ古墳時代の成立を議論しました。 シンポジウムでは、区画墓の階層性や、単数埋葬・複数埋葬の差異、播磨は果たして複数埋葬が存在するのか、円形周溝墓と方形周溝墓の違いとは、といった点について議論があり、さらに近畿地域や四国地域、九州地域などとの比較検討が参加者を含めて議論され、非常に実りあるシンポジウムになったかと思います。 文責:荒木 ※本シンポジウムの資料集は、六一書房様に扱っていただいております。 |