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top>近年播磨で刊行された注目文献
◆単行本
- 岸本道昭著・2006年5月
- 日本の遺跡11 山陽道駅家跡 西日本の古代社会を支えた道と駅
- 同成社・A5・184頁
- 龍野市(現たつの市)の布勢駅家は、日本で初めて駅家と確定された著名な遺跡。
- その発掘調査に大きく関与した著者による、播磨国駅家の概説書。
- 駅家発見前史から説き起こし、その追跡過程をトレース。
- 布勢駅家の発掘調査成果とともに、最近全国で2番目に駅家跡として認定され、国指定史跡となった野磨(やま)駅家の発掘調査成果を記載。
- 次に、その構造の比較を行う。異なるところと共通するところ。
- さらに『播磨風土記』から駅家関連の記事を紹介。
- 駅家と終末期古墳、古代寺院との関係性を分析。
- 播磨国駅家推定地の紹介後、近世山陽道、現代の山陽道までを説く。
- これ1冊で、播磨国の駅家関連のことがうまくまとめられている。
- 駅家研究において文献、考古資料ともにめぐまれている播磨国をよく知ることができる1冊。
- 頒布価格1,800円。
- URL:YahooBooksへ(amazonはまだ未登録)
- 大手前大学史学研究所・2007年3月
- 弥生土器集成と編年−播磨編−(大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター研究報告第5号)
- A4・526頁
- 木耳社『弥生土器の様式と編年』から漏れていた播磨の弥生土器編年がついに公表。
- 弥生前期から庄内式までの土器集成と編年案。
- 実測図は再トレースされ、未報告資料も追加されている。
- 1 本稿の目的と方法、2 播磨地域の土器集成、3 播磨地域における土器編年の3章立て。
- 論文は以下の3本。
- 森岡秀人・荒木幸治「播磨地域における弥生土器編年研究の沿革素描」28p
- 篠宮正「東播磨地域の編年」36p
- 長友朋子・田中元浩「西播磨地域の編年」57p
- 六一書房より4,200円で販売されています。
- URL:六一書房へ
◆発掘調査報告書
- 赤穂市教育委員会・2007年3月
- 発掘された赤穂城下町2−赤穂駅前大石神社線街路整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書2−
- 荒木幸治編・A4・130頁(本文49頁、写真図版81頁)
- 近世遺跡である赤穂城下町跡の発掘調査報告書第2弾。
- フルDTP。
- 第3遺構面で、17世紀初頭の石組基礎をもつ掘立柱建物を検出。
- その上の第2遺構面では、浅野時代(17世紀中頃〜後葉)の良好な町家跡を検出
- コウノトリの骨が出土。全国的にも珍しい。
- 遺構面と出土陶磁器類の関係について、若干の考察。
- 隠れた目玉は、添付図。宝永元年(1704)の貴重な絵図の翻刻。
- この絵図は、江戸期で唯一町人の名前とその屋敷規模を記載しており発掘調査成果と符号可能。
- 遺構と遺物図版はすべてカラーで理解しやすい。
- 遺物は図面とともにカラー写真をつけ、実測図にはわかりやすいキャプションと推定帰属時期を1点1点記載。
- 苦労しました(笑)。頒布価格1,500円、限定200部なのでお早めにどうぞ。
- 問い合わせ先:赤穂市教育委員会生涯学習課文化財係(0791-43-6962)
- URL:兵庫県赤穂市の文化財
- 上郡町教育委員会・2005年12月
- 落地遺跡(八反坪地区)-県営圃場整備事業にともなう埋蔵文化財発掘調査報告書-
- 島田拓編・A4・185頁(巻頭カラー1頁、本文160頁、写真図版24頁)
- 上郡町落地に所在する落地遺跡の発掘調査報告書。
- フルDTP。
- 1990年に発掘調査され、山陽道とそれに沿った大規模建物群がそのまま見つかった画期的な調査だった。
- その成果は、写真及び全体平面図のみがさまざまな文献で紹介されたが、ようやく正規報告書が刊行された。
- このたび国指定史跡となった。
- 行政上の都合により調査者と報告者は異なるが、実直な記述。
- まとめでは、亀形硯について、掘立柱建物群の性格について、、古代山陽道と掘立柱建物群の変遷について。
- 寄稿論考として、以下の4編。
- 高橋美久二「落地遺跡(野磨駅家)と古代の山陽道」(1頁)
- 吉本昌弘「古代播磨国の山陽道駅路」(13頁)
- 宮本長二郎「落地遺跡八反坪地区建築遺構の考察」(10頁)
- 今里幾次「上郡町出土の古瓦」(13頁)
- 駅家研究の基礎資料となる重要な1冊。
- 頒布価格2,000円。
- 問い合わせ先:上郡町教育委員会社会教育課文化財係:0791-52-2912
- 上郡町教育委員会・2006年1月
- 古代山陽道 野磨駅家跡-落地遺跡飯坂地区ほか発掘調査報告書-
- 小田賢編・A4・170頁(本文166頁、関係文献史料4頁)
- 上郡町落地に所在する落地遺跡の発掘調査報告書。
- フルカラーDTP。
- 駅家と認定された遺跡としては、全国で2例目となり、このたび国史跡となった。
- 本格的な調査は2002年から計画的に実施され、物理探査や確認調査が行われた。
- 発掘調査によって、瓦葺礎石建物、門跡、築地塀などが整然と見つかった。
- 報告書は、大縮尺の図面とともに、カラー写真が併せて掲載されていることで、理解がしやすい。
- 自然科学的成果として、以下の内容が寄稿されている。
- 落地遺跡の地形環境
- 物理探査
- 焼土、礎石の考古地磁気年代
- 古環境、赤色塗料、壁体等の分析
- まとめとして、瓦葺駅館院の規模と構造、成立・廃絶時期などが検討されている。
- 八反坪遺跡とともに、野磨駅家を構成する遺跡の重要な報告書。
- 駅家研究の基礎資料となることは間違いない。
- 頒布価格3,000円。
- 問い合わせ先:上郡町教育委員会社会教育課文化財係:0791-52-2912
- 赤穂市教育委員会・2006年3月
- 木虎谷11号墳発掘調査報告書
- 荒木幸治編・A4・112頁(巻頭カラー16頁、本文80頁、写真図版16頁
- 赤穂市有年原に所在する木虎谷11号墳の発掘調査報告書。
- フルDTP。
- 横穴式石室を埋葬施設とする後期古墳。
- 埋葬面が2面見つかり、それぞれで須恵器、鉄刀が出土したほか、初葬面では耳鐶、刀子なども見つかっている。
- 注目すべき遺物の1つは、鉄刀。最初期の第1床面では板鐔付き鉄刀が、第2床面では佩用金具(単脚脚金具)付き鉄刀が出土。
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鉄刀について、確実に新古関係を議論できる資料となった。
- また第1床面出土の耳鐶には、繊維が付着しており、科学的分析(FTIR)により苧麻の可能性が高いとされた。
- 巻頭カラーでは、市民の方向けに平易な文章でビジュアルな説明。
- 本書は検討が33頁と多くの頁を割いており、石室構築方法、須恵器編年の再構築、横穴式石室の階層差、時期差を考察している。
- 苦労しました(笑)。頒布価格700円、限定200部なのでお早めにどうぞ。
- 問い合わせ先:赤穂市教育委員会生涯学習課文化財係(0791-43-6962)
- URL:兵庫県赤穂市の文化財
- 加西市教育委員会・2005年3月
- 玉丘古墳群1−亀山古墳−
- 立花聡ほか編・A4・151頁(本文108頁、写真図版43頁)
- 加西市に所在する中期古墳の密集する玉丘古墳群のうち、亀山古墳についての発掘調査報告書。
- 全長109mの前方後円墳である玉丘古墳を含む古墳群で、現在は7基の古墳が公園内に整備されている。
- 亀山古墳は昭和12年にすでに埋葬主体が発掘されていたが、今回整備に伴って範囲確認調査が行われた。
- 調査の結果、円頭埴輪列などから長径約48m、短径約44m、高さ約7mの円墳であることが判明した。
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埋葬主体の再調査中、副葬品埋納施設が見つかり、長頸鏃が110本以上、大型鉄鏃が8本のほか、鋤先、鑿、ヤリガンナ、刀子、鉄斧、鎌、砥石などの農工具が多数出土した。
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ちなみに、昭和12年の調査では第1主体部(石蓋土坑墓)で鏡1枚のほか短甲、眉庇付冑、籠手、刀、剣、槍、鏃などが、第2主体部(木棺墓?)で短甲、刀、剣、鏃類が出土している。
- これらの出土遺物のほか、京都大学総合博物館所蔵遺物や個人蔵の遺物も紹介されている。
- URL:加西市 文化財の部屋
- 赤穂市教育委員会・2005年3月
- 発掘された赤穂城下町−赤穂駅前大石神社線街路整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書1−
- 荒木幸治編・A4・224頁(本文と写真図版は分かれていない)
- 近世遺跡である赤穂城下町跡のはじめての発掘調査報告書。
- フルカラー、フルDTP。
- これ一冊で赤穂城下町のことが理解できるよう、中世からの歴史を年表や絵図等から説き起こす。
- 近世遺跡の発掘調査を行うにあたり、用語・考え方の整理を行っている。
- 3つの遺構面が見つかり、特に第2遺構面(17世紀中葉〜18世紀)はほぼ遺構が完存。
- 多量の束柱礎石のほか、土間面、トオリニワに走る上水道跡、敷地境界、間取り境界礎石列を検出。
- 第2遺構面を形成する造成土からは、17世紀初頭〜17世紀中葉までの陶磁器類が多量に出土。
- 第3遺構面では掘立柱建物跡と礎石建物が検出される。
- 掘立柱建物柱穴からも青花、唐津、備前、瓦などが出土。肥前磁器は出土せず。
- 遺物は図面とともにカラー写真をつけ、実測図にはわかりやすいキャプションと推定帰属時期を1点1点記載。
- 検討の項目では、残されている文献より、浅野氏による造成年代とその場所を検討、該当する第2遺構面の形成について、今後の研究に利用可能な情報を提供。
- その他、礎石建物、瓦葺き開始の時期、上水道、出土陶磁器の検討など。
- 苦労しました(笑)。頒布価格2,100円、限定200部なのでお早めにどうぞ。
- 問い合わせ先:赤穂市教育委員会生涯学習課文化財係(0791-43-6962)
- URL:兵庫県赤穂市の文化財
- 高砂市教育委員会・2005年3月
- 竜山市石切場−竜山石採掘遺跡詳細分布調査報告書−
- 藤原清尚編・A4・130頁(本文114頁、写真図版16頁)
- 古墳時代における大王家の石棺の石材として知られる竜山石採掘遺跡の分布調査報告。
- 市内全域の山塊が調査対象。
- 竜山石の名称や、岩石の分類についての記述から始まる。
- 高砂市周辺の地質的・岩石学的特長とその帯磁率の測定結果を掲載。
- 石切場の形態と、石材採掘方法の復元。
- 採掘場所の分布調査結果とその地図を掲載、一部については測量を実施。
- 古墳時代、中世、近世における石材加工技術の検討、加工道具の実測図掲載。
- 竜山石製古墳石材一覧、高砂市内石棺集成、竜山石製石造品一覧掲載。
- 竜山石の採掘と加工、その流通まで、総合的に調査を行った、画期的な報告書と言える。
- 今後行われるであろう様々な検討に向け、詳細な基礎データの提示ができたことは間違いない。
- 龍野市教育委員会・2005年3月
- 小神南遺跡
- 岸本道昭編・A4・85頁(本文54頁、写真図版26頁)
- 小神廃寺南東にあたる遺跡。
- 弥生後期前半、後期末、奈良・平安時代の建物跡を検出。
- 古代の土器として「池田」と墨書された土器が3点出土。
- 調査は13年以上前に行われたもので、本書の編者は発掘担当者と異なる。
- その弊害を記載し、実直な記述
- 一番はじめに序章「小神南遺跡の話−市民の皆様へ−」を設け、また土器調整表現の図示など、読み手を考えた報告書。作成期間が短いなかでここまでできる能力に脱帽。
- 兵庫県教育委員会・2005年3月
- 姫路市 市之郷遺跡-JR山陽本線等連続立体交差事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書1-
- 山田清朝編・A4・773頁(本文403頁、図版78頁、写真図版185頁)
- 「播磨国府寺」と考えられている市之郷廃寺を要する姫路市を代表する遺跡。連続立体交差工事に伴って合計6885uを調査した分の報告書。
- 弥生時代前期、中期、後期前半、庄内並行期、古墳時代中期、古墳時代後期〜飛鳥時代、白鳳時代〜奈良時代、平安〜室町時代と、ほぼすべての時期の遺構・遺物が検出された。
- 特に古墳時代中期には、初期カマドをもつ焼失住居が見つかり、韓式系土器の出土から渡来人の住居跡と推定されている。
- また、白鳳時代〜奈良時代には鴟尾などが出土し、市之郷廃寺関連遺物と推定される。
- 弥生中期から中世まですべての土器の型式分類を行っており、当該地域の土器様相を知る上でも重要。
- 赤穂市教育委員会・2003年3月
- 東有年・沖田遺跡−ほ場整備事業に伴う発掘調査−
- 中田宗伯編・A4・約240頁(本文194頁、写真図版40頁、巻頭図版など)
- 赤穂市の代表的な弥生遺跡で、ほ場整備に伴って合計27,000uを調査。そのうち7,000uの調査に関する発掘調査報告書。
- 弥生時代中期中葉(播磨最古級)に属する円形周溝墓とその一括資料や、弥生時代中期から後期前半の土坑・竪穴住居一括資料を掲載。
- 西播磨の弥生土器編年や竪穴住居に関する考察が約30頁。
- 問い合わせ先:赤穂市教育委員会生涯学習課文化財係(0791-43-6962)
- URL:兵庫県赤穂市の文化財
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