top>Archa的考古学。>2つの編年。
非常におひさしぶりです。
今回は、若干実践的な(笑)話をひとつ。
はじめは一般の方向けに「編年」について。
次に、私の考えている「2つの編年」について。
考古学の基本よーご。の「なぜ土器で時期がわかるの?」と
「なぜ遺構・土層の時期がわかるの?」では、土器の年代の決め方と遺構の時期の決め方を
書きました。
すでに書いたように、土器と土器の新古は判りますが、実際の年代はわかりません。
土器と土器の新古を考古学では「相対年代」、実際の年代を「絶対年代」と呼んでいます。
考古学は、最近の科学の発展で絶対年代がわかりつつありますが、それまでは(そしてこれからも)
相対年代で勝負することが多いです。
土器の新古は、「切りあい関係」をもった遺構内の遺物を比較することでわかりますが、
それだけでは単に出土した土器を判断できません。そこで考古学では、「土器変遷のイメージ」を
作ります。
これが「編年」です。
考古学者さんは、これを作ることで、他で出土した土器の時期を決める参考にするわけです。
さて、このような編年は現在精密化の一途をたどっていますが、それが果たしてよい方法か、
悪い方法か、ずれている方法なのか、はたまたそれ以外なのか、それが問題です。
私は編年には最低2種類あると考えています。
一つは「イメージ編年」で、もう一つは「実際編年」と仮に呼んでおきましょう。
・イメージ編年
考古学では、遺構の切りあい関係による新古の把握が原則論ですので、編年をつくるには、
出来るだけ遺構内から出土した資料のみを使いたがります。そして補足的にそれ以外の土器を使います。
しかし、遺構内から出土した土器群は、細かく見るとカタチに結構差があるものも多いですし、
結局は「使用の時間差」のために製作時の一括性は保証されません。
つまり厳密に遺構内の一括資料のみを用いても、結局は
土器変遷のイメージ(イメージ編年)」しか作れない
わけです。
土器変遷のイメージの作成は、とても大事な作業です。ただしこれがそのまま詳細な集落分析に
用いられる点が、ちょっと疑問になります。
本当にすべての設定された型式は、時期が綺麗に分かれるのか。
たとえば土器の製作方法は世代交代で変わるという説明であれば、世代交代は
すべての地域で同時に行われるのかどうか。
実際のことを考えるとそれは否としなければならないでしょう。つまり
遺跡の細かい変遷を追うときに「イメージ編年」をそのまま使うことは問題があります。
それではどんな方法で時期変遷を捉えたらいいのか、という問題になりますが、
現在考えられる方法は、一つしかないのかもしれません。
・実際編年
それは
一括資料内の型式属性について「同時期にあってよい」という判断を下す
ことだと思います。これは非常に消極的な議論にならざるを得ませんが、それは使用され
廃棄された「共伴の事実」として認めざるを得ないものです。
私は、この作業を数限りなく行うことで、実際の同時性を考慮した編年を
組み立てることが可能だと考えています。
もちろん少ない事例は認定するのが難しいですが、これからはこの資料認定を
行っていく必要があると思います。
うーん、ちょっと一般向けではなかった気が・・・・(汗)